瀬戸内国際芸術祭2019 on 粟島の注目アート!
瀬戸内国際芸術祭2019で粟島では、海に関連する作品やベトナム作家の作品など、ユニークなアートが勢ぞろいします! 粟島のアートを3つのポイントから解説します!
▼瀬戸内国際芸術祭2019 on 粟島のトップページはこちら
※個別のアート作品については瀬戸内国際芸術祭の公式ウェブサイトをご覧ください。
※今後、アート制作の進行に伴い、情報を更新していきます!
1、生命と人類の根源に迫る大作
粟島がある三豊市では、アーティスト・日比野克彦さんの協力の下、2010年からアーティスト・イン・レジデンス事業「粟島芸術家村」(日々の笑学校)を実施。日本や海外の若手芸術家を招いて、数カ月間にわたる粟島での滞在制作を支援してきました。
ここで2018~19年に参加しているのが、東京やフランスなどで展示会を開いてきた気鋭の若手アーティスト、大小島真木さん。そして、インドの部族アート、ワルリ画の継承者であるマユール・ワイェダさんです。
今回は、彼らが島民と協力しながら4カ月もの時間をかけて制作した大規模な作品「始まりの洞窟」と「生命のスープ」を展示します。
生命の連鎖を象徴する鯨が、人類の起源を感じさせる洞窟で泳ぐ。そんな作品を共同で創っている彼らの意図は? ぜひ、アーティストたちや制作を手伝う粟島島民、ボランティアたちのインタビューもご覧ください!
2、船上でアートを楽しめる!
粟島はかつて、日本初の海員養成学校が立てられ、アジアやヨーロッパ、アフリカの海を駆け巡った船員たちが住む島でした。
さらに、粟島のある三豊市は、「日本一の夕日の絶景スポット」と言われる父母ヶ浜をはじめ、あちこちに美しい海岸があります。そうした場所は、ゴミ拾いボランティアといった市民の努力によって環境が保全されています。
さまざまな形で、海と深い関係を持つ粟島。そんな粟島では、「海」に関連するさまざまなアート作品やプロジェクトが展開されます。
▼粟島の海員養成学校については、瀬戸内国際芸術祭公式ウェブサイトのブログもご覧ください。
特に注目は、「種は人やもの、地域をつなぐ”船”のよう」という発想で造船された「種は船プロジェクト」の「TANeFUNe」の乗船体験、さらに、海の上で海の遺物を鑑賞できる「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト」の「一昨日丸」。
瀬戸内国際芸術祭では珍しい、海の上で体験できる企画です。いったいどんな体験ができるのか、楽しみですね!
さらに、沈没船から引き揚げたレンガで制作する「Re-ing-A」など、「海の底」への想像力を膨らませるような作品も展示予定です。
三豊市は、日々の笑学校(粟島芸術家村)の校長を務めるアーティスト・日比野克彦さんとのご縁で、フランスの海洋調査船「タラ号」が2018年5月に寄港。市内の児童たちが体験乗船をするといったイベントが行われました。こうしたことから、今回、「タラ号」の海洋調査の活動記録や、乗船したアーティストたちによる作品も展示予定です。
3、ベトナムの世界的アーティストが参加。「フォーうどん」も食べられる!?
粟島がある三豊市のショッピングモールやスーパーに行くと、外国語で話す若者たちを見かけるかもしれません。彼らは、主に東南アジアから来た若者たち。特に近年、三豊市では、ベトナム出身の方が多く働いています。
「ベトナム」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
日本でも最近人気になってきた麺「フォー」や、華やかな伝統衣装「アオザイ」、あるいは1970年代まで続いたベトナム戦争の悲劇が思い浮かぶかもしれません。
こうした文化や歴史に加え、ベトナムは近年、急速な経済発展をとげ、日本との経済関係もますます強まっています。
こうした中、今回はベトナムが誇る世界的アーティストのディン・Q・レとリチャード・ストライトマター・トランが、個性的なアート作品を創ります。ディン・Q・レが同時に実施する食プロジェクト「PHOUDON&COFFEE HOUSE」では、「フォー」と、香川のソウルフード、うどんを組み合わせたオリジナル料理やベトナムコーヒーが楽しめます。
さらに、秋会期初日となる9月28日には、ベトナムの伝統芸能「カーチュー」も披露されます。
日本が今後、ベトナムとどんな関係を築いていけばよいか。粟島の展示は、グローバル化が進む社会へのヒントを与えてくれるかもしれません。