「三豊市フォトコンテスト2024」入選作品
プリント部門

総評 素晴らしい作品がたくさん寄せられました。本当に嬉しいことですが、作品の応募時期も関係するのでしょうか。今回は「春」の作品、特に桜風景が多かった印象を受けました。瑞々しい新緑や紫陽花、秋の紅葉など、四季折々の素晴らしい風景というのはまだまだ存在するはずです。季節を変えて、個性が光る皆さんの眼差しを通して、三豊市の自然や風景を探して行かれると、よりもっと素敵になるのではないかと思います。

最優秀賞

  • 三木 雅也(香川県観音寺市)「夏の宵」
  • 三木 雅也(香川県観音寺市)「夏の宵」
  • 【審査委員長からの講評】
    輝く夕日をバックに、集う人々をシルエット描写で浮かび上がらせました。津嶋神社の参道をとらえた一場面ですが、上手に撮影しただけでなくてドラマを感じるのです。歩んできた人生はひとりひとり違うわけですが、作品を静かに眺めていると、遠い夏の日の思い出を呼び覚ますことができるのではないでしょうか。この雰囲気が最高に素敵ですし、記憶を刺激する、写真ならではの魅力にあふれています。

優秀賞

  • 中塚 英男(香川県高松市)「天空の花畑」
  • 中塚 英男(香川県高松市)「天空の花畑」
  • 【審査委員長からの講評】
    アングルがとてもいいですね。ちょうどシバザクラが見頃を迎えていて、ピンクの花が斜面を彩り、その上には澄んだ青空が広がっています。小さく写るのは親子と思われますが、お母さんを案内するかのように、子どもが手を繋いで歩く姿が微笑ましく、素直に素敵だなぁと感じた一枚です。色彩の鮮やかさも印象的で、心地よい春の光と風を運んでくれました。
  • 高橋 弘(香川県丸亀市)「真夏の夜の宴」
  • 高橋 弘(香川県丸亀市)「真夏の夜の宴」
  • 【審査委員長からの講評】
    夕暮れ時、わずかに残った茜色の空が雰囲気を高めています。花火が上がる位置や海面に映り込む参道の灯りなど、どこから撮影するべきかを高橋さんは適切に判断していて、とても良いタイミングと画面構成で写し出しています。それから、シャッター速度を少し遅くすることによって光跡が広がり、大輪の華を咲かせる花火をより美しく見せました。

観光特別賞

  • 野田 ゆかり(香川県三豊市))「春の散歩」
  • 野田 ゆかり(香川県三豊市))「春の散歩」
  • 【審査委員長からの講評】
    清々しい朝の光に包まれています。手すりに掴まっているひとりとワンちゃんが同じポーズであることがとても愛らしく、明るい桜の花が咲き誇る中、瀬戸内の穏やかな海が開放感に満ちています。この場所を訪ね、同じように風景を眺めてみたいなと思わせる、美しい世界を写真で届けてくれました。

入選

  • 山口 遥可 (徳島県名西郡)「藤の木漏れ日」
    山口 遥可 (徳島県名西郡)「藤の木漏れ日」
    【審査委員長からの講評】
    山口さんのイマジネーションの豊かさがこの作品を生み出しています。晴れた日の光が幸いし、趣のあるトタン壁に藤棚の影がやわらかく描かれています。そこに色合いの似た服装の2人がそっと佇み、風薫る季節の優しい時間が流れていて心惹かれました。空間の扱い方が上手ですし、明暗差が存在する風景をコントロールした仕上げも見事です。
  • 真鍋 勝一(香川県三豊市)「潮騒」
    真鍋 勝一(香川県三豊市)「潮騒」
    【審査委員長からの講評】
    爽やかな青空と海の表情です。風はなく、穏やかな日だったことでしょう。まるで鏡のように海は白い雲を映し出し、上下対称の安定したフレーミングによって心安らぐ、ホッとさせてくれる風景を紡ぎ出してくれました。潮の満ち引きによる自然現象でしょうか、砂浜の紋様もちょっと見せて、画面に変化を加えているところはさすがです。
  • 斉藤 延子(香川県観音寺市)「大浜百手祭」
    斉藤 延子(香川県観音寺市)「大浜百手祭」
    【審査委員長からの講評】
    伝統の儀礼が執り行われる中、真摯に見つめた視点が素晴らしいです。厳かな雰囲気を誘う左右対称の画面構成であり、魚眼レンズでしょうか。少し歪みが生まれていることも効果的ですし、シャッターチャンスを見極めていて、弓を射る、まさにその瞬間を捉えています。ピンと張り詰めた空気感が伝わり、臨場感にあふれる作品に仕上がっています。
  • 松永 芳基(香川県まんのう町) 「湖面に浮かぶ夏銀河」
    松永 芳基(香川県まんのう町) 「湖面に浮かぶ夏銀河」
    【審査委員長からの講評】
    空気が澄み、月明かりの影響がなく、雲は少なく風のない日。この条件が揃うのは難しいわけですが、松永さんはしっかり準備されていたのでしょう。天の川の位置もよく、湖面に対岸の風景と満天の星空がくっきりと映り込んでいます。星空を眺める機会が少ない私たちに、夏の銀河がきらめく風景を届けてくれました。果てしない宇宙を感じる世界もまた素晴らしいですね。

佳作

  • 中野 豊廣(香川県三豊市)「海鵜の帰還」
    中野 豊廣(香川県三豊市)「海鵜の帰還」
  • 吉川 航太(愛媛県西条市)「アジサイの鐘」
    吉川 航太(愛媛県西条市)「アジサイの鐘」
  • 団 芳男(徳島県徳島市)「雨に煙る」
    団 芳男(徳島県徳島市)「雨に煙る」
  • 田渕 克也(香川県丸亀市)「湖面に映える春色」
    田渕 克也(香川県丸亀市)「湖面に映える春色」
  • 藤田 博由(香川県三豊市)「静寂」
    藤田 博由(香川県三豊市)「静寂」
  • 佐藤 雄二(愛媛県四国中央市)「惜春」
    佐藤 雄二(愛媛県四国中央市)「惜春」
  • 関 智昭(香川県三豊市)「入道雲と茶畑」
    関 智昭(香川県三豊市)「入道雲と茶畑」
  • 長尾 英恭(香川県丸亀市)「憩い」
    長尾 英恭(香川県丸亀市)「憩い」
  • 谷口 浩之(香川県高松市)「水面が造る春の宴」
    谷口 浩之(香川県高松市)「水面が造る春の宴」
  • 大西 弘行(香川県仲多度郡)「夕暮れに飛ぶ」
    大西 弘行(香川県仲多度郡)「夕暮れに飛ぶ」