アート制作ボランティア!「海ほたる隊」インタビュー!

行けば行くほど楽しい!

「近くに、こんな素敵な場所があったんだ!」

三豊市の荘内半島生まれで、現在は詫間町に住んでいる田中真利子さん。「たまたまFacebookで見て、面白そうだったから」ということで、2019年6月から「海ほたる隊」に参加。瀬戸内国際芸術祭に関連して、大小島真木さんとマユール・ワイェダさんのアート制作のボランティアをしています。

三豊市、あるいは香川県内に住んでいても、粟島に行く機会はあまりないかもしれません。でも、1度行ってみると、世界観が変わるかも。そんな話を、2019年7月、田中さんにお伺いしました。

 

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アットホームな雰囲気が魅力

海ほたる隊

マユールさんの洞窟制作の様子

 

―田中さんは生粋の「三豊っ子」ですが、粟島でアート制作のボランティアをするのは、今年が初めてだとか。その経緯を教えてもらえますか?

田中:「海ほたる隊」に参加する前は、粟島には学校行事などでしか行ったことがありませんでした。

そもそも、こんなボランティアがあること自体知らなかったんです。今回、たまたまFacebookで「海ほたる隊」について知り、「面白そうやん」と思いました。

「海ほたる隊」では、マユールの作品で洞窟の壁づくりをやったり、真木さんの作品で使う骨の組み立てをやったりしています。そのほか、時々、皆のお昼ごはんを作ったりも。

「海ほたる隊」では、参加時間の決まりはあるものの、市役所の担当の方と相談しながらフレキシブルに調整しやすい。そんな参加しやすさもあって、何度も行くようになりました。

海ほたる隊

アーティストとお昼を一緒に食べる機会も多い

 

そうしていると、粟島のお母さんやお父さんたち、アーティストともだんだん仲良くなって、行くと「また来たんか」と喜んでくれる。なんだか、もう1つの家に帰ってきたみたいですね。

それに、マユールが、お昼にインドカレーを作ってくれることも多くて。私は英語があまりしゃべれないのですが、マユールたちはコミュニケーション能力が高いので、あまりたくさんの言葉を使わなくても、楽しく過ごすことができます。

 

深く知るほど楽しくなる

海ほたる隊

洞窟の壁制作に使っている新聞紙

 

―現代アートは、日本では「難しい」というイメージがあります。大小島さんやマユールさんの作品を見て、「よく分からない」と感じませんでしたか?

田中:いいえ、全く。むしろ初めてボランティアに参加した時に、真木さんが作品の趣旨や狙いを詳しく説明してくれて、「こんなに奥が深いんだ!」と驚きました。

また、マユールの洞窟ですが、あれ、実はあちこちから集めた古い新聞をシュレッダーに掛け、水にふやかしたもので壁を作っているんです。そんな制作における細部の工夫も、知れば知るほど面白くなります。

海ほたる隊

ワークショップにて。マユールさんの絵に興味津々な子どもたち

 

また、先日、マユールが今回展示する木の彫刻を作っていたんですが、その時、彼はインドの歌を歌っていました。あれは、アートをつくる際のワルリ族の儀式のようです。

普通は、こうしたアーティストの制作現場に立ち会えないと思います。こうした点も含め、とても貴重な体験をさせてもらっています。

 

それに、マユールと一緒にいると、「今の時期、インドのワルリ族が住んでいる地域は、雨がすごくて・・・」といった話が出たりします。

そういう話を耳にすると、私もインドについて知りたくなって、最近はインターネットでインドの文化を調べたりしています(笑)。

瀬戸芸のボランティア作業だけをするつもりだったのに、アートやインドのことを知って。自分の幅も広がるな、と感じました。

 

子どもと一緒に楽しめる

海ほたる隊

2019年6月22日の第1回ワークショップの様子。親子参加が多かった(第2回目のワークショップは7月13日に実施)

 

―マユールさんが6月22日に実施したワークショップでは、ワルリ族の狩りの道具であるパチンコを制作しました。そこで、親子が一緒に楽しんでいる姿が印象的でした。アート制作のボランティアも、親子のコミュニケーションに役立ちそうですね。

田中:「海ほたる隊」は、刺繍のお手伝いなど、子どもでもできる作業があるので、親子で一緒に参加しても楽しいと思いますよ。

子どもと話すネタも増えましたね。実は、洞窟づくりで使っている新聞紙は、近隣の学校で集めたりしています。子どもたちからそんな話を聞きつつ「お母さんね、今日は粟島でこんな作業したんやけど・・・」と話をしていると、いつもとは違う感じで子どもと接することもできる気がします。

海ほたる隊

粟島から見える詫間町

 

それに、粟島汽船に乗ると、子どもがはしゃいでいる姿を見かけるのが楽しいですね。粟島は、須田港から15分程度なので、子どもが飽きずに船を楽しむには、ちょうど良い距離。ちょっとした行楽気分で子どもと一緒に遊びに行ってもいいと思います。

 

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「アートは、見るより作る方が楽しい」と言われることがあります。実際、アーティストと一緒に作ってみると、アート作品もより深く味わうことができるでしょう。

粟島では2018年にカフェ「あわろは食堂」がオープンするなど、ますます魅力を増しています。粟島で非日常感を味わいつつ、アート制作も手伝ってみれば、きっと楽しみが2倍、3倍にもなりますよ!

瀬戸内国際芸術祭2019 in 粟島では、アート制作のほか、秋会期中の受付などをしていただくボランティアも募集しています。ぜひ皆で、瀬戸芸を思いっきり楽しみましょう!ボランティア参加の詳細は、こちらから